企業が商品やサービスをWeb上で販売する際に、広告を窓口とすると、顧客のサービスの導入や商品の購入を決定づけるのがLP:ランディングページです。
LPは、Webマーケティングにおいて顧客がCV:コンバージョン(問い合わせなどの様々な指標となるもの)するための最後の関門であり、LPの出来次第でCV数が左右されると言っても過言ではありません。
本記事では、米国の動画ストリーミングサービス、netflix(ネットフリックス)を例に、LPの役割から売れるLPのポイントまで徹底解説します。
どれだけ時間とコストをかけて広告を作成しても、顧客がサービスの申込みや商品の購入を行うためのLPが良くなければ、見込み顧客の取りこぼしが発生してしまいます。
Webマーケティングにおいてその役割はとても大きく、LPの構成がほんの少し異なるだけで顧客の反応に明確な差が生まれることも少なくありません。
WebマーケティングにおいてCVの定義として代表的なのは、商品やサービスの購入、申込み、問い合わせ等です。LPは作成して終わりではなく、どのようにすればCV数が増えるのか、顧客がLP内に滞在してくれるのかを仮説検証し、改善を繰り返していく必要があります。
最終的なCV数増加のためにLPの制作を行い、顧客の反応をもとに改善を繰り返していくことで最適化させる一連の作業をLPO(Landing Page Optimization)と呼びます。
企業のLPの中で、LP改善でユニークな結果がでたものの例としてNetflixを見ていきましょう。
コロナ渦の現在(2021/3月)絶賛利用中のユーザーも多いとは思いますが、Netflixは映像コンテンツの米国発祥のサブスクリプションサービスです。ビジネスの世界で最も成長を遂げている企業の一つであり、同時に徹底的なABテストを行う企業としても有名です
ABテストとは、LPに対して複数のパターンを作成(画像や構造が特定の箇所だけ異なるもの)し、同時に配信をすることで顧客の反応を分析し改善を繰り返しながら広告やLPの成果を向上させていくことを言います。
Netflixは、2018年時点で、世界に1億2500万人もの会員がいました。そして、その会員全てが通ってきたのが、NetflixのLP=会員登録ページです。Netflixでは、このLPをABテストによって何度も検証、改善し、会員数を伸ばしてきたと言われています。
Netflixからのリークとして、2020年3月23日にGoodUIから「NetflixがセカンダリーボタンのABテストを行ったが、全て否定された」というニュースが発表されました。(セカンダリーボタンとは、会員登録ボタンの下に表示される2つ目のボタンのことです。)
①Why Netflixボタン:サインアップページへのジャンプリンク(会員登録ボタンと同じページへ飛ぶ)
②Learn Moreボタンα:FAQセクションへのジャンプボタン
③Learn Moreボタンβ:サインアップページへのジャンプリンク(会員登録ボタンと同じページへ飛ぶ)(①と同じ)
④Learn Moreボタンγ:Learn Moreボタンαを、会員登録ボタンの上に配置したもの
Netflixは、上記の4パターンをABテストで検証し、どのパターンが最もCVを獲得したかを分析したようです。しかし、結果として、上記の4つのどれでもない、『会員登録ボタンのみ』が最も最適だったとのことです。
この検証からも分かるように、Netflixはランディングページの文言やボタンの配置の些細な違いを疎かにせず、地道に検証を行っています。この丁寧な検証と改善が、Netflixの成功の一因であることは間違いありません。
また、NetflixランディングページのエンジニアGopal Krishnan氏は、自身のブログにて、以下のように述べています。
「ここでは、デバイスの種類や支払い方法が異なる世界の2つの地域に住む2人の異なる顧客が、Netflixのサインアップ体験をどのようなものにしているかを見てみましょう。バーブは米国のセットトップボックス(STB)デバイスでサインアップしており、ケーブルプロバイダーを通じての課金を希望しています。一方、Rikoは日本でiPhone 7を契約しており、クレジットカードを利用しています。
それぞれのケースで顧客体験は大きく異なりますが、目標は同じです。私たちは、会員候補者に可能な限り最高のサインアップ体験を提供することを目指していますが、同時に、これらの異なる体験の実施においては、非常に無駄がなく、俊敏で、効率的であり続けることを目指しています。」(英訳要推敲)
「サインアップファネルでは、ユーザーのことを知るための短い時間があり、できるだけ効率的かつ効果的にサインアップしてもらえるようにしたいと考えています。」(英訳要推敲)
Gopal氏は「どの国に住む顧客にも」「効率的かつ効果的にサインアップしてもらいたい」という信念のもと、ABテストを行っているということです。
Gopal Krishnan氏(Gopal氏Facebookより引用)
https://www.facebook.com/GopalKrishnanMarketer
顧客のことを考えない単なるデザインの向上は意味をなしません。LPは、情報の伝達手段です。
「何を伝えるか」に重点を置きすぎてCVに結びつかないLPOもあります。そうならないためには、「誰に何を伝えるか」を軸にした、明確な目的意識が必要なのです。
Netflixの徹底的なABテストが「世界中の顧客に迅速なサインアップを」という訴求軸に基づいていることがわかったところで、次に実際の制作のポイントを見てみましょう。
では、ここで本題に戻りましょう。売れるLP制作のポイントとは一体どのようなものなのでしょうか?
まず、念頭においていただきたいのは、LPには様々な種類のものが存在するということです。LPは基本的な機能の紹介や前述のNetflixにおける会員登録ページのようなものから、商品やサービスを第三者目線から紹介する「記事LP」、商品やサービスの概要を漫画を用いて説明する「漫画LP」など、様々な種類のものが存在します。
どんなLPの形であれど、日々多くのLPが作成されているため、テンプレートのようなものは存在しています。
確かにテンプレートをもとにLPを作成して配信を行えば、一定数のCV獲得は見込めるかもしれませんが、それは「売れる」LPと言えるのでしょうか?
「売れるLP」を作るためには、先程のNetflixの例であるように「顧客のことを考えたLP作成」を行う必要があります。
顧客のことを考えたLPとは、自社商材やサービスのニーズを理解した上でLPを作成し、ABテストを何度も行うことで、徐々に作られていくものであると言えるでしょう。
つまり、商材やサービスごとにそれぞれユニークな顧客が存在しているように、LPもユニークなものであり、顧客の声や反応を軸に作成されたものが本当の「売れるLP」であると言えるのです。
「売れるLP」を作るためにABテストなどでLPOを行う必要があることは前章まででお伝えしました。しかし、ここまでご覧いただいた方の中には
「顧客のニーズに合わせて作る必要があるなんて前から理解している。」
「何回もABテストが出来るなら初めから苦労していない。」
という方もいらっしゃるかも知れません。実際Netflixがここまで徹底してABテストを行える背景に、
Netflixが持つ人員などのリソースが起因していることは否定できません。
LP上で大量のABテストを行うためには、ベースとなるLPをABテストの回数分複製し、デザインやボタンの遷移先を少しずつ変化させながら、一定人数に配信をする必要があります。
単にLPに変更を加えると言っても、デザインやコーディング(webサイト上への実装)など、専門的な知識や技術が必要になる場合もあり、ABテストを企画してから実際に開始するまでに時間がかかってしまいがちです。配信後にも数字やユーザーの反応を細かく分析し、ABテストの結果を判断したり、次のABテストの施策決定などを行わなければなりません。リソースが多ければ、制作や分析など各部門に人員を配置し、組織内で包括的な運用が可能になりますが、実際の広告運用の現場でそれだけのリソースを確保するのは難しいという現場の声が多いのが現状です。
さらに、制作に加えて分析も行っていく場合、分析のための様々なツールが必要になり、コスト面での負担も大きくなります。
実際、広告運用者の多くが
「リソースとコスト面を考慮したら、同じLPに頼らざるを得ない…」
「LPOがついつい後回しになってしまう…」
という壁にぶつかってしまっていました。
2020年7月、そんな広告運用者の方の悩みを解決するツールが誕生しました。
少ないコストとリソースで大量のABテストを行える広告運用ツール、その名もSquad beyond。
一体どのようなツールなのか、詳しく見ていきましょう。
Squad beyond(以下beyond)はLP制作から運用までを全て1つのツール上で行うことが出来るツールです。
こちら↓の記事でSquad beyondの細かい機能を紹介中!!
beyondのLP作成で最も重要なのは、
「面倒な設定無しで、誰でも簡単に大量のLPが作れる。」
という点です。
LPはコーディングを用いて作成することも、コーディングなしで作成することも可能です。今まで専門知識を持っている人に頼むしかなかったLP作成が、誰でも簡単に行うことができるようになります。
テンプレートにはめて作るのではなく、直接画像を挿入したりテキストを打ち込んで作成したり、300種類を超える装飾を自由自在に扱うことで、デザインに拘った自分だけのLPが作成できます。
さらに、自分が作成しているLPをチーム内で共有することで、LPの変更履歴も自動で保存され、自分や誰かの気付きやアイデアをいつでもLP上に反映させることが可能です。ABテストを行いたいときはボタン一つでLPの複製が可能。最短30秒でABテストが始められるから、今まででは考えられないスピード感でABテストが出来ます。
beyondの運用で最も重要なのは
「広告運用に必要な機能が全てひとつのツールにある。」
という点です。
今まで制作や運用のたびに行き来する必要があったため、ツール同士の互換性や、レポート上での数値の乖離に悩まされていた人も、beyondの導入が全てその悩みから開放します。LPを作成したその場で、ABテストなどの運用に必要なレポートやヒートマップが自動生成されるから、タグの設置等もなしで必要なURLは一つだけです。
さらに実際に導入いただいている企業様から、大変好評な機能もご紹介します。
それがBranch Operationです。
今までLPを作成してABテストを行っていた際、成果の悪いLPは配信を停止するということが当たり前でした。
しかし、Squad beyondではLPに関する情報が全てこのツール上で管理可能になるため、「クリエイティブ×LP」の相性をレポート上で確認、配信のON/OFFが可能になります。
その結果、配信効果の高い組み合わせのみ配信を続けることが出来るようになり、より効率的な広告運用が実現可能です。
では先程のNetflixの例を用いて、大量のABテストをするためにLPの制作にどのくらいの費用がかかるかをシュミレーションしてみましょう。
2020年のNetflix会員の年間純増数は3,657万人でした。
単純計算でも1ヶ月に300万人以上がCV(=会員登録)した計算になります。
Netflixは、アプリ上での会員登録を行っておらず、全ての人がWEB上のLPを経由してCVしています。
計算しやすいように端数を切って、1ヶ月あたり300万人が登録しているとしましょう。
1日あたりは300万÷30で、10万人です。
LPに訪れた人の5%が登録すると仮定した場合300万÷0.05%=月間6,000万PVを獲得している計算になります。
1ヶ月を30日として、1日あたり200万PVを獲得しているということです。
1日に10本のLPを作成し、仮に1つのLPに対して20万PVごとに検証を行ったとしても、1ヶ月あたり300回のテストを行う必要があります。
1テストにおいてLPを10回改良するとすれば、30LP×10回改善で300回のテストが行えます。
以上の計算から、Netflixの場合1LPあたり50万円、改善(画像やデザインの変更)ごとに5万円かかるとして、
LPの制作のみで1ヶ月に合計約2,000万円かかると推測できます。
「予算もないし、そんな大量のABテストも出来るわけないよ(笑)」
そう思っているあなたにこそ、「Squad beyond」がオススメです。
まず前提の話をさせてください。
beyondでは現在、1週間で3,000以上のLPが作成されています。
※これは1ヶ月前には2000以下であり、ユーザー数の増加とともにその数は飛躍的に伸びています。
1ヶ月のLP作成数を現状のユーザー数で割ると、1ユーザーあたりLPを30本作成している計算になります。
一方、導入から2,3ヶ月で慣れて来ると1ヶ月に60本近く作成している人も多く見受けられます。
そのような人が5人でbeyondを使う場合、1ヶ月に5人× 60本=300本のLP作成が可能です。beyondを利用する際の利用料、約10万円+5人分の人件費を含めても、
1ヶ月に合計約150~200万円で300回のテストが可能になる計算です。
つまり、1ヶ月間に10分の1以下のコストでNetflixと同じテストが出来るということです。
これだけのLP作成できるのは、beyondだからこそです。
今までの運用を次のステージに導くためには、絶対に欠かせないツールと言えるでしょう。
いかがだったでしょうか?
Squad beyondを使えばコストやリソースを抑えながら誰でも「売れるLP」の作成が可能になります。
小手先のテクニックを使い、少しの間だけ利益が出るようなものではなく、継続的に支持されるLPを作るためには、顧客のことを考えながら、どのような訴求が最もふさわしいのかを地道に探し続ける必要があるのです。
本記事をご覧の皆さんも、本当の意味で「売れ続けるLP」を作成するために、是非一度Squad beyondをお試しください。