オーディエンス(audienceは)日本語で「聴衆」や「観客」という意味を持つことから、Web広告業界では広告を配信するターゲットのことを指します。純広告がサイトなどに訪問してきたユーザー全てにとにかく広告を見せる一方で、運用型広告では媒体側に蓄積されている情報をもとに配信するターゲットを細かく設定することができます。
この配信対象のことをオーディエンス、またこの手法をオーディエンスターゲティングと呼びます。FacebookやGoogleをはじめとして、Web広告を行う上でオーディエンスは配信結果を左右する重要な指標になるのでしっかりと理解する必要があります。
また、オーディエンスは媒体が自動で配信対象を選定していくため、年齢や性別をはじめとして様々な細かい設定が可能です。
まずはこの設定できる細かい項目について個別に見ていきましょう。
ユーザー属性はその名の通りユーザーごとに個別に持っている情報を取得、利用することができます。ユーザーがFacebookの様なSNSに登録する際に入力した情報をもとに収集しています。
具体的には
と様々な細かい設定が可能になります。これらのユーザー属性は媒体によっても様々なので確認をする必要があります。
デバイスに関してもこちら側で配信対象を設定できる場合があります。スマホやPCの閲覧に特化した広告を作成、配信した場合にオーディエンスのデバイスを分けることで目的に沿った配信が可能になります。
これはオーディエンスとは少し異なりますが、曜日や時間帯を細かく指定することも可能です。同じ広告費をかけても時間帯によって獲得できるユーザーの量や、ユーザーのサービス導入傾向などが変わってきます。そこで配信を平日のみに限定したり、深夜0時以降の配信を止めるなど、ユーザーの反応に応じて臨機応変な設定をしましょう。
他にも様々なオーディエンスがあり、媒体によって異なります。では、各媒体におけるオーディエンスを詳しく見ていきましょう。自分の広告配信の目的に合ったオーディエンスへ配信することで広告効果の最大化を期待できます。各オーディエンスについてメリットやデメリットを理解した上で配信できる様にしましょう。
FacebookはSNSの中でも、実名で登録しその人がどこに住んでいるのか、どこの大学を出て何の仕事をしているのかまで、他の媒体と比較してもかなり詳細な情報が記載されている(登録している項目はユーザーによる)ため精度の高いターゲティングが可能です。Facebook広告には3種類のオーディエンスがあります。
コアオーディエンス |
カスタムオーディエンス |
類似オーディエンス |
地域、年齢、性別、言語など先ほどのユーザー属性の欄でお伝えした様々なユーザーの属性を指定して配信することが可能です。また、Facebook特有の学歴や役職に関しても指定できます。ユーザーがもともと持つ性質に限らず、広告主のLPやアプリ上でどの様な動きをしたのか(CVしたユーザーなど)を特定し、オーディエンスの要素として加えることができます。
具体的には「興味関心ターゲット」として、過去に特定のワードで検索した経歴がある人を対象に絞り、配信することなどが可能になります。
コアオーディエンスがFacebookが自動で配信するユーザーを選定するのに対して、カスタムオーディエンスはユーザーの情報を任意で設定、配信することができます。
カスタムオーディエンスには4種類あり、
上記の4種類のカスタムオーディエンスを作成するために様々なソースを利用することができます。
カスタムオーディエンスは細かい条件を指定して配信することが可能になるため、精度の高いターゲティングになる一方で、配信対象が限定されておりターゲットが狭くなってしまうという弱点があります。そこで利用されるのがこの「類似オーディエンス」です。特定のカスタマーリストの類似オーディエンスを作成すると、そのカスタマーリストの人のユーザー属性やアプリ上での動き、行動履歴を元に、似たような行動をとった人々が新たなオーディエンスとして登録されます。
過去にCVしたユーザーの類似ユーザーに対しての配信も可能になるので、CV獲得を目的とした配信では頻繁に利用されています。類似の精度として1%~10%までの指標が存在し、%の値が0に近いほど類似性が高いです。逆に%が高い方が対象のユーザーの母数が多くなります。Facebookの広告配信では、まず類似1%で配信を始め、反応の良い広告に関して類似の%を徐々に上げて配信対象を広げて行く手法が一般的です。
以上の3種類がFacebookのオーディエンスになります。オーディエンスはかなり細かい雪鼎が可能になるため、実際に運用を行う際は広告配信の目的に最も合致したオーディエンスでの配信できる様にきちんと理解した上で設定しましょう。
もうひとつ代表的な広告としてGoogle広告をご紹介します。Facebook広告と同様にGoogle 広告も細かいオーディエンスの設定が可能です。基本的な顧客情報はもちろん、Googleならではのユーザーの検索履歴などに基づいたオーディエンスターゲティングが可能になります。
Google広告では、オーディエンスマネージャーというツールが存在し、オーディエンス情報の一括管理が可能です。Facebookでは様々なオーディエンスに対して広告を都度変更し、配信結果を比較検討して行く必要がありますが、Google広告のオーディエンスマネージャーでは、端院中の広告に関して分析を行い、オーディエンスの変更や改善のヒントを提示してもらうことができます。
では、このオーディエンスマネージャーについて詳しく見ていきましょう。オーディエンスマネージャーでは、以下の項目を管理することが可能です。
オーディエンスリスト |
オーディエンスソース |
オーディエンスインサイト |
Google広告のオーディエンスリストには大きく分けて3種類があります。
広告を配信する側が設定したキーワードやURLに基づき、広告で配信している商品やサービスに対して購入や導入を「前向きに検討しているユーザー」のオーディエンスリストです。
カスタムインテントが「前向きに検討しているユーザー」のリストであったのに対し、その前段階の「興味・関心を持っているユーザー」のオーディエンスリストが、このカスタムアフィニティです。日本語のニュアンスが異なるだけなので、カスタムインテントとの違いが分かりにくいと思いますが、インテントはCV確率が高いが対象が狭く、逆にアフィニティはCV確率がインテントと比較して低いものの、配信対象が広いという認識で問題ありません。
過去に CVや特定のサイトへのPVなどを行った人に対し再びアクションするためのリストです。過去に何らかの接触をしたユーザーであるため、アプローチ次第ではCV確度の高い広告配信が可能になります。
オーディエンスソースは上記のオーディエンスリストを作成する際に元となるユーザーデータを管理することができます。ソースは具体的に以下の6種類です。
最も一般的な取得方法のソースであり、Google広告から発行したタグを特定のWebサイトに埋め込むことでそのページを来訪したユーザーに関するデータを取得することが可能です。
自社製品のサービスサイトや会社のコーポレートサイトなどについてGoogle Analytics(GA)から取得したデータやユーザーのリストをインポートし、 オーディエンスソースとして利用可能です。
GAなどと同様に特定のYoutube動画やチャンネルを閲覧したことがあるユーザーのデータをソースとして利用可能です。
Facebook同様、自社が保有する顧客データのリストをアップロードし、ソースとして利用することが可能です。
Google Play上のアプリに関して、アプリを利用するユーザーやアプリ内で課金をしたユーザーなどの情報を取得してソースとして利用することが可能です。
Google Playでの分析に加え、外部のアプリ分析プロバイダなどと連携させることでアプリ使用ユーザーを対象にオーディエンス作成が可能です。
オーディエンスリストで作成したユーザーや、広告の配信によって取得できたユーザーの情報に対して、より詳細な分析が可能になる機能です。具体的には、大学生向けのサービスに関する広告を配信していた場合、実際にサービスサイトに訪問しているユーザーやサービスに登録したユーザーがどんな属性を持っていたのか、また本来の広告の対象へ配信をするためにどんな改善を行えば良いのか分析することが可能です。
Web広告の発展とともに、とにかく顧客になりそうなユーザーに対し広告を当てるという手法が普及していきました。オーディエンスはこのこの広告手法で対象を絞るために非常に重要な役割を担います。他にもLINEやTikTokなど様々な媒体でオーディエンスは重要な役割を持つので、各媒体での設定方法や特徴を理解する様にしましょう。自社のサービスや製品をより効率的に普及させるために、細かくオーディエンスを設定しながら広告を配信していきましょう。
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